日本
むらさめ型護衛艦
(あめ型護衛艦)

わかりにくい写真でごめんなさいw2隻ともむらさめ型で、左が「むらさめ」、右が「はるさめ」です
大阪港中央突堤停泊時の写真です


平成3年度から建造の始まった汎用護衛艦(DD)。
「はつゆき」型、「あさぎり」型の後継とされており、武装はほぼ同一だが、アスロックはVLAとして甲板下に格納されている。
誤解されがちだが、シースパローは前部VLではなく、2本の煙突の間(SSM発射管の後)に専用のVLSを装備している。
対潜ヘリSH-60Jを1機搭載可能だが、格納庫のスペースから、非常時には2機搭載することができる。ただ、移送レールは1本しかないので、「搭載できる」だけでしかないのが実情のようだ。実際には輸送などに使われる程度のものらしい。
ゆき型、きり型に比べて大型化しているのに武装にたいした違いがないのは、このあめ型が将来的なことも含めて艦に余裕を見たのと、そもそもゆき型、きり型があのクラスの艦船としては武装を詰め込みすぎていたことにも由来している。
10番艦以降は、武装の大幅な変更、排水量の増加等によって、「たかなみ」型として別の艦形に分類されている。
たかなみ型は移送レールが2本になり、ヘリ2機の運用も可能になっている。
なお、当艦型の配備で護衛艦隊で不要になったゆき型は地方隊に配備されており、今のところ除籍されたものは無い。

護衛艦としてはこんごう型に続いてステルス性にある程度考慮した艦型になっている。
なお、むらさめ、たかなみ両艦型を合わせてもゆき、きり両型と交代するには足りないが、これに関しては別艦型として19年度より調達予定らしい。
世界の艦船によると、フランスのラファイエットのように、ステルス性を重視したデザインになるらしいとのこと。
ただ、傾斜艦型については、停泊時に潜水工作員による爆弾テロへの警備に死角が出やすいとの話があるので、監視カメラの設置など、既存艦(当然むらさめ型も)も含めて今後検討の課題になるだろう。

対空ミサイルのシースパローに関してだが、発展型シースパロー(ESSM)への換装も進んでいる。
このESSMは射程が50Kmあり、能力が大幅に強化されているので、むらさめの防空能力は旧式DDG(かぜ型各種)を上回っていると言われる。
というか、スペックを見ると上回っている。
むらさめも計画当初はFCS-3を搭載して「ミニ・イージス」とする野心的な案もあったようだが、結局予算の問題で、たかなみ型でも見送られ、FCS-3はDDHが初搭載というよくわからない状況になってしまった。

基準排水量 4,550t
主要寸法
(長さ、幅、深さ、喫水)
151x17.4x10.9x5.2m
速力 30kt
主要武装 62口径76mm速射砲、Mk-41 VLA発射機/16セル
20mm高性能機関砲/2基、90式SSM四連装発射機/2基
Mk-46 VLS発射機/16セル、三連装短魚雷発射管/2基
SH-60J/1機(非常時には2機)
潜水工作員対処・不審船対策に12.7mm機関銃も装備可
定員 165名