フランス製ってどうよ?



西側でありながらアメリカとは一線を画した外交路線を取るフランスは、兵器もやたらと国産しています。
まぁ、トマホークの販売を拒否されたから自前で造らざるを得なかった巡航ミサイルはともかくとして、艦船や戦闘機に搭載する武器一式を国産してるのは西側ではフランスくらいです。
で、当然それらを熱心に輸出してるわけなんですが、商売に節操が無いことで有名でもあります。
私の印象としては、「いつでも、どこでも、どんなときでも相手に勝利する」ことを求められるアメリカ製に対して、「スペックダウン版」的な印象をフランス製にもってるんですけどw
あと、私が思うに日本製に求められるのは「いつでも、どんなときでも相手に負けない」だと思うのですが、いかがなもんでしょ?まぁ、それだと脅威ベースの国防政策になるので予算的にあんまりよろしくないのですが、「専守防衛」を取ってる以上、理想はこうだと思ってます。

さて、話が逸れました。
「死の商人」的なことを言われるアメリカですが、実際問題としてフランスのほうが「死の商人」だと思います。
アメリカはあれでも世界で最も厳しい武器輸出規制を敷いており(CIAとかが勝手に出したのは例外)、買うことができる国というのは限られています。
あーだこーだと規制をかけてもアメリカ製の武器が売れるのは、米軍の運用実績に基づく信頼性と「世界最高」の性能によるものです。
もっとも、値段も「世界最高」ですが。だから「輸出額」が大きくなるんですよ。あと大口顧客が多いし。日本とかw
アメリカは厳しい輸出規制を敷いても武器を買ってくれる国はいくらだってあります。
また、日本のように「政治的理由」でアメリカ製しか選択肢がない場合もあります。むしろ、これは幸運なことであるとも言えるのですが・・・。
しかし、世界には「アメリカが武器を売ってくれない国」「高くてアメリカの武器が買えない国」もいくらだって存在するわけです。
ここで「アメリカ以外の」武器輸出国の商売が成立するわけです。
それに日本だってさすがに全部が全部アメリカ製ではないですしね。FH70(155mm榴弾砲)とか。細かいのなら「しらね」型護衛艦2隻は竣工当初から2002年まで短SAMの射撃指揮装置にタレス社の使ってました。
さて、では「アメリカ以外の」武器輸出国にはどんなところがあるのか?
いくつかざっと名前と主要輸出品をあげると、フランス(たいがいなんでも)、ドイツ(戦車、装甲車、艦船)、イギリス(小型艦船)、スウェーデン(機関砲、航空機)、スイス(銃器、機関砲、装甲車)、イタリア(艦砲)といったところでしょうか。
まぁ、艦船はアメリカは基本的に(当然例外はあります)退役艦しか輸出しませんし、艦砲も「アメリカの」戦略にあわせてるので合わない国はいくらでもあります。「こんごう」型ミサイル護衛艦がOTOブレダ(イタリア)の127mm砲を採用したのが典型ですね。あと、76mm砲はアメリカもOTOブレダの使ってますよね。
ドイツ製の戦車とかになってくると最早「アメリカ製より性能いいんじゃねぇの?つーかいいだろ」って感じですしwまぁ、レオパルト2A5なんかは値段が90式戦車並ですがw
あとは、ロシアですね。
さりげなく中国も輸出してますけど、他の国のが予算的に買えない国が中心ですしw
これらの国はアメリカ並の厳しい規制を設けていては買ってくれる国がありませんから、当然、アメリカより規制が緩くなります。
それでも各国ともある程度の規制は設けているわけで(ロシアは知らんw)、「なりふり構わず」って感じはありません。
しかし、フランスは「核と弾道ミサイル、原潜以外」ならなんでも輸出してる感があります。
売る相手も選ばないので、イラク(当然フセイン)相手に対空ミサイル売って、あげく湾岸戦争でそれにフランスの戦闘機が撃墜されています。
EUの対中武器輸出規制を撤廃しようと動き回ってるのもフランスですしね。
台湾にフリゲートと戦闘機売ってるくせに、中国にも輸出しようとはいい度胸です。

(台湾に輸出された康定級フリゲートのもとになったラファイエット級フリゲート)

ここでようやく一番上の写真に関係あるお話w
Mirage2000やMirageF1がベストセラー機であることは論を待たないでしょう。
小型で安価で性能が分相応。
Mirage2000はF-16と市場を二分したくらい(政治力で負けてるので採用国はアメリカ色が薄いとこ中心ですがw)ですから、優秀な戦闘機だと言えます。
そして、その流れを受け継ぎ、満を持してRAFALEが開発されたわけなんですが・・・さっぱり売れません。
2006年2月現在でフランス以外の採用国は0です。
売り込みで世代的には1つ古いF-15E系列に負け続け、あげく何だかよくわからんEF-2000にも負けました。JAS-39に負けたこともあったかな?
目ぼしいFXの話は出払ってしまったので、売れても12機程度の小口だけでしょう。可愛そうに。
え?F-2の穴埋め?ムリでしょう。
RAFALEが売れなかった理由ですが、「フランス製だから」に尽きると思います。
最初に「兵器もやたらに国産してる」と書きました。
これはつまり「対空ミサイルから爆弾までなんでもフランス製」ってことになります。
AIM-9やAIM-7といった西側を代表するアメリカ製ミサイルが使えないのです。
つまり、例えばすでにF-16を使用している国が、古くなったF-5の後継の戦闘攻撃機の選定を行ったとしましょう。
F-16は当然、AIM-7やAIM-9といったアメリカ製ミサイルを使用します。F-5もAIM-9を使用します。
ところが、RAFALEはこれを使えない。つまり、RAFALEを採用すると決めると、新たにフランス製のミサイルを購入する必要が出てくるのです。
しかも、買ったミサイルはF-16では使えない。
仮に「アビオニクスいじってアメリカ製兵器使えるようにするからお金出して」とダッソーが言おうものなら、真っ先に候補から外されることになるでしょう。
かといってダッソーが自己負担でやったところで、機体の値段↑だし、タレスとかアビオニクスに噛んでるところともギスギスする。
結局、「RAFALE+フランス製武器システム」で勝負するしかないのです。
新しい武器システムを入れるっていうのは補給の体制から何から何まで見直す必要を迫ることですから、莫大な費用がかかります。
しかも、上のケースでは2つの異なる補給システム(アメリカとフランス)を維持する必要が出てきます。
んな手間は誰もしたくないので、結局RAFALEは買ってもらえないわけです。
Mirage2000もフランス製のミサイル使いますけど、購入先をよくよく見てみると
台湾 中国との関係で当初アメリカがF-16を売ってくれなかった。
インド アメリカがF-16売ってくれなかった。
カタール 金満(をいw
アブダビ(UAE) やっぱり金満(をいw
ペルー ずっとフランス製。
ギリシア 政治的理由でF-16と両方採用したっぽいw 関係ないけどYS-11使ってるそうな。まだ現役なのかな?
エジプト もともとフランス機使ってる。
こんな感じなんですよねw
こうなると最早RAFALEを大量購入してくれそうなところって中国しか残ってないんですよね。
まぁ、私が言ってどうなるもんでもないですが、EUの対中武器輸出規制撤廃には絶対反対!
フランスは「売れればいい」的な兵器輸出国なので、んな国に中国に武器を輸出させるわけにはいかんのです。

あと、こんな言い方もどうかとは思いますけど、フランスと中国って似てますよね。
「小アメリカ」的なあたりとかw
自分中心じゃないとイヤイヤみたいな駄々ッ子w
違いは日本にいる限りフランスが中華思想持ってたところでほとんど迷惑にならない点でしょうか?w

結論:フランス製はワインだけで十分(をいw

戻る